#02 Masato Yamaguchi / Stencil Object #011

STREET CONTEXT ARCHIVE
現代美術の旗手と90s HIPHOPが共鳴する、未完のストリート・アーカイブ

01

Introduce

共鳴の起点

RESONANCE POINT

始 まりは、一人の表現者への純粋な共鳴だった。山口真人氏は、90年代東京の音楽、ファッション、デザインの洗礼を受け、その感性を現代アートへと昇華させてきたアーティストである。彼が提唱する「トランスリアリティ(現実の向こう側の現実)」というテーマ、そしてSELFY(自撮り)をする女性を描くことで「現実とは何か」を問い続けるその姿勢に、私たちは深く共鳴した。そこに、私たちが守り続ける90s HIPHOPの美学が重なり、新たな作品への接続が始まった。驚くべきは、対面によって明かされた数々のシンクロニシティである。共通の生活圏、そして「壁一枚」を隔てたかのように近い距離感で、同じ時代の空気感を吸い続けていたという事実。この運命的な巡り合わせこそが、商業的な枠組みを超えた本作を誕生させるための、最後のピースとなった。

”みんなで創る”90年代ヒップホップ専門レーベル|C.r.e.a.m. Team Records

02

Production

ストリートの記憶との接続

STREET CONTEXT CONNECTION

本 作は、山口氏の代表作「Stencil Object」を、私たちが呼吸してきたストリートの風景で包み込む試みである。作品の中心でターンテーブルに向かうのは、架空の女性「Luna」。彼女が紡ぎ出す不可視のビートを、世界中の路上に共通する無機質で野性的な風景が取り囲む。電柱や壁面に無数に重ねられたステッカー、その重なりが描く「街=ストリートの堆積」を、表現の主体へと引き揚げた。台座にはCream Team Recordsのロゴを刻み、グラフィティの文脈に則ったスプレーペイントを敢行。そこに、90s HIPHOP黄金期の空気感を象徴するレジェンドたちのロゴをステッカーとしてコラージュした。デジタルな設計と、ストリートの即興性が交差するこの台座は、もはや単なる土台ではなく、Lunaの奏でる音楽と街の記憶を接続する、作品の一部である。

”みんなで創る”90年代ヒップホップ専門レーベル|C.r.e.a.m. Team Records

03

Detail

成長し続けるアートピース

EVOLVING ART PIECE

デ ィテールに貼られたステッカーは、これで完成ではない。路上に貼られたタグが増殖し、街の表情を変えていくように、この作品もまたステッカーが重ねられ続け、変貌していく。かつては商業的な宣伝手段(プロモーション)であったロゴやグラフィティが、山口氏の描く「現実の向こう側の現実」と融合し、ひとつの文脈(Context)のもとに集約される。一過性の熱狂や消費されるデザインを、不変の強度を持つ「アートピース」へと昇華させること。「ステッカーを貼る」というストリート文化が現代美術と接続し、新たな表現へと昇華されること。滴り落ちる塗料の質感と、増殖し続けるロゴの重なりが描くのは、単なるノスタルジーではない。路上に溢れる一瞬の閃光を、永遠に成長し続ける「文化」として定着させるための、私たちの意志表明である。

”みんなで創る”90年代ヒップホップ専門レーベル|C.r.e.a.m. Team Records

#01 Masato Yamaguchi / Stencil Object #011

MUSIC:M.O.V.E. (INST.VER) / DJ MITSU THE BEATS feat. Frank Nitt, Guilty Simpson

山口真人|Masato Yamaguchi

1980年東京都生まれ。90年代東京の音楽、ファッション、デザインの洗礼を受け、その感性を現代アートへと昇華させてきたアーティスト。

SNS時代のアイデンティティを問う「SELFY(自撮り)」シリーズを中心に、現実と虚像の境界線を曖昧にする「トランスリアリティ(現実の向こう側の現実)」を提唱。特定の人物像「Luna」をモチーフに据え、変容し続けるアイデンティティのあり方を描き出し、現実とは何かを問い続けている。

アパレルブランド「X-girl」や「初音ミク」とのコラボレーションなど、グラフィックデザイナーとしての緻密な構成力とストリートの野生的な感性を併せ持つボーダレスな活動を展開。現代アートシーンの最重要人物の一人である。

主な個展

  • “SELFY : I’M IN TRANS”(Tokyo 2025)

  • “REMIXED BY” x FUKI COMMITTEE(Tokyo 2024)

  • “TRUEFALSE”(Tokyo 2023)

  • “SELFY:完整版”(Hongkong 2022)

  • “stay pixelated” x MAKERS SPACE(Tokyo 2022)

”みんなで創る”90年代ヒップホップ専門レーベル|C.r.e.a.m. Team Records

ARCHIVE NOTES

本アーカイブに関する注意事項

  • 作品の所在と背景
    本シリーズで紹介している作品および衣類は、すべて個人所有の私物アーカイブであり、非売品となります。

  • 実地展示のご案内
    公開された各アーカイブは、今後開催予定のCream Team Recordsポップアップストアやライブイベント会場にて、実地展示を予定しております。

  • 展示情報の告知
    具体的な展示スケジュールや会場の詳細につきましては、決定次第、当サイトおよび公式SNSにて順次お知らせいたします。

  • 権利とリスペクト
    本アーカイブの公開および展示は、文化の記録と接続を目的としております。各アーティストおよびブランドのパブリシティ権・著作権に深い敬意を払い、所有権に基づき適切に運営いたします。

”みんなで創る”90年代ヒップホップ専門レーベル|C.r.e.a.m. Team Records

C.r.e.a.m. Team Records

さあ、ステージへ。 クリームチームレコードは誰でもアーティストやオーナーとして 創作活動に参加できる90年代ヒップホップ専門レーベルです。